2025/07/17 14:01

【外村吉之介意匠の花筵】
今回はミュージアムショップに新しくお目見えした花筵のご紹介です。

・岡山県の花筵(はなむしろ)について
昭和19年(1944)年に、芹沢銈介、外村吉之介が、倉敷市西阿知に数日間滞在。芹沢は三宅松三郎商店に滞在して図案指導を、外村は柄の試し織りの指導を行ったそうです。先日ご紹介した今展のポスターに使われている花筵も三宅松三郎商店製です。
昭和30(1955)年に、岡山県民藝協会の指導下で倉敷はなむしろ株式会社が設立され(現在は廃業)、昭和23(1948)年に開館した倉敷民藝館の初代館長であった外村吉之介は、図案の指導を行いました。

今回ご紹介する図案は1960年代に作られた、外村による図案の倉敷の花筵(はなむしろ)です。長らく製造が途絶えていましたが、今吉商店さんの尽力によって昨年(2024年)復刻製作されました。
赤と紺の色合い、円や縞のモダンなデザインはインテリアとしても映えます。
外村は著書『少年民藝館』の中でも取り上げ、「便利ですから、玄関に敷いたり、部屋や廊下に移動させると、住居の気分を変える楽しみもあります」と書いています。
これからますます暑くなる夏におすすめの逸品です。

【今吉商店の1-3畳の花筵】
岡山県倉敷市にある今吉商店さんは、明治30年(1897)に創業され、2018年にIGUSA LABOを設立。
長い時を経て受け継がれてきた花筵を制作されています。
倉敷市西阿知で開発された岡式織機を使用し、原料のい草は主に国産の良質い草を使い、花筵は織り上げてられています。
先染めされたい草を模様に織り上げ、湿気を吸い上げさらりとした使い心地はい草の特徴が生かされています。